102. 白雲山観音堂付近出土品
(はくえんざんかんのんどうふきんしゅつどひん)
 抉入柱状片刃石斧(えぐりいりちゅうじょうかたはせきふ)と磨製石斧の2点は、昭和45年ころ村史編集委員が白雲山観音堂を調査した際、観音堂内に納めてあるのを発見したものである。

一部磨製石斧
 1点は、昭和47年3月観音堂近くにある中世古墓群(15.「白雲山中世古墓群」)の盛土の崩れた所から出土しているのを、管理責任者が発見し、村史編集室に連絡したもので自然石を磨いて精製したものである。

抉入柱状片刃石斧
 緑色蛇文岩(じゃもんがん)製である。これは弥生時代に朝鮮半島から入ったもので、水田稲作などに使用する木製の鋤(すき)や鍬(くわ)など木製農具を製作する道具である。
 刃部は欠損しているが、4.0cmの角柱に3.0cm幅で深さ0.7cmの抉りが入っている。残部の長さは17.0cmある。

白色蛇紋岩製磨製石斧(ませいせきふ)
 長さ13.5cm、幅6.5cmで、ていねいに磨かれている。
 白雲山の周辺はかなり早い時期に稲作が行われていたらしく、水神平式土器も発見されている。またこの水田にささえられた在地豪族のものと思われる古墳も付近にあるなど、郡上郡と稲作の歴史研究のため重要な出土物である。さらに蛇文岩はこの付近には無く、近くでは福井県大野郡和泉村(いずみむら)の箱が瀬(はこがせ)、大谷、伊勢付近に産しているのみである。