98. 大間見横通遺跡出土品 (おおまみよこどおりいせきしゅつどひん)
 昭和49年大間見字横通地区のほ場整備工事中、石器片、土器片が多数出土した。当時の村史編集委員、小・中学生によって地表採集したもので、約1,100点出土している。

石器類
 石皿1点、くぼみ石1点、磨製石斧(ませいせきふ)3点、打製石斧5点、石鏃15点、スクレーパー6点、石錘(せきすい)1点、石錐(せきすい)(黒曜石(こくようせき)製)1点、有孔磨製石鏃(ゆうこうませいせきぞく)1点(弥生期)、状(けつじょう)耳飾破片(翡翠(ひすい)製)、黒曜石片6点、石くず多数。

土器類
 加曽利E式(かそりいーしき)を中心とする土器片約1,000点(口辺部にブリッジをつけた信州系のもの、中期・最末期の北陸系のもの)がある。諸磯系(もろいそけい)の有孔土器口辺部、北白川系爪形文、咲畑式土器(さきばたけしきどき)の口縁部(こうえんぶ)、晩期の土器片も出土している。また平安期平碗1点、白瓷(しらし)系破片20点、常滑かめ破片8点(14世紀)、古瀬戸片1点、鎌倉期の仏花器1点も出土している。
 以上のように出土品は多種多様で、現地には炉跡も認められたが記録不能であった。当遺跡は縄文中期後半をピークとするが、咲畑土器や、弥生期の有孔石鏃、北陸の翡翠(ひすい)製品、平安期陶片、中世期の陶片と長い間の出土品により、この地の開拓の歴史を知ることができる。文化流入経路を解明する参考となる重要な出土品である。