96. 大畑遺跡出土品 (おおはたいせきしゅつどひん)
 大間見字大畑の池田 弘が長年にわたり、自宅を中心とした大畑地区で収集したもので、石器、土器あわせて386点ある。

石器頬
 石皿破片6点の中には、周辺に曲線の文様付きのものがある。石棒破片1点(13.3cm)、大形石棒3点、たたき石9点、こすり石4点、くぼみ石2点、石錘(せきすい)7点、石錐(せきすい)2点、石さじ3点、皮はぎ8点、磨製石斧(ませいせきふ)7点、打製石斧(だせいせきふ)21点、石鏃(せきぞく)80点(無柄)、立石(りっせき)1基などである。

土器頬
 器台の脚部破片、あじろ底、注口土器の1部など縄文中期の土器片180点、すり消し縄文土器片など、後期のものも少量出土している。
 立石を中心に、石皿、たたき石、くぼみ石、打製石斧などが多く出土する中部山岳縄文中期遺跡の典型的なものである。
 土器は加曽利E式(かそりいーしき)を中心に、少数であるが勝坂式の口辺部、北陸系地方色をもつ加曽利、加えて咲畑式(さきはたしき)(東海地方)のものも少量出土している。以上のように大畑遺跡は、各方面からの多様な土器伝播の様相を示しており、参考になる地点である。