95. 藤代遺跡出土品 (ふじしろいせきしゅつどひん) |
大間見字藤代の故藤代江月氏が、自宅の周辺で長年収集した石器類と、昭和49年10月、ほ場整備中円光寺(えんこうじ)南側の古い水田から出土した土器片、石器類を加えたものである。 縄文前期(じょうもんぜんき)を中心とする土器片約200点と石器類70点余である。 1.状(けつじょう)耳飾破片2点のうち、滑石製(かっせきせい)1点には小穴があけてある。破損してから垂飾品として用いた痕跡がある。 2.石錘(せきすい)2点(石の錘(おもり))のうち1点は横型である。 3.皮はぎ(やや大型)、石錐(せきすい)(石の錐(きり))と石鏃(せきぞく)には黒曜石(こくようせき)製もある。 4.石さじ(チャート2、下呂石2で前期の正三角形型) 5.諸磯様式(もろいそようしき)土器片(これは関東系の土器で、竹管文のあるもの、口縁部に貫通口をもつ有孔鍔付(ゆうこうつばつき)土器のグループなど、郡上市には非常に少ない土器であるが、残念なのは土器の摩滅が強いことである)。 郡上市には縄文前期の遺跡数が少ない。その上諸磯様式の土器を出土する遺跡はさらに少ない。ほとんどが関西系の北白川下層式だからである。関東系の文化の流れが飛騨を通り、日本海側を回って北の方から郡上へ文化が入っていることを示す遺跡である。 |