94. 福田長石谷出土石器 (ふくだながいしだにしゅつどせっき)
 福田地区に長良川へ急傾斜で流入する長石谷がある。流域の住人田中善児が、この谷の上流で御物石器(ぎょぶつせっき)を、中流域で石冠と石斧(せきふ)を発見採集し、寄贈したものである。

御物石器  1点
 長さ35.4cm、灰白色で文様は無い。鞍部(あんぶ)が浅くて後部突起のある、いわゆる蚕型をしている。

石冠(せっかん) 1点
 丸みをもった直方体の上に、松茸様の頭部がつき、整った形をしている。

磨製石斧(ませいせきふ) 2点
 小型ではあるが、ていねいに磨かれている。1点は刃部が1部欠損している。
 縄文後・晩期の出土品として、特に御物石器・石冠は郡上全域の分布状態を知る上でも貴重な出土品である。