88. 山田道場の紙本墨書蓮如上人筆六字名号
(やまだどうじょうのしほんぼくしょれんにょしょうにんひつろくじみょうごう)
 縦76.0cm、横31.5cm。すでに「61.」で述べたように、剣の山田道場には、中心に阿弥陀如来の方便法身絵像(ほうべんほっしんえぞう)を、向かって左に実如(じつにょ)筆の草書体(そうしょたい)の六字名号、同じく右に、蓮如上人筆の行書体六字名号が安置されている。行書体(ぎょうしょたい)というのは漢字の楷書と草書との中間の書体で、楷書(かいしょ)の画をやや崩したものをいう。
 蓮如上人筆の楷書または行書の六字名号は、草書体にくらべて、現存する数はきわめて少ない。
 山田道場には、上に述べた3体について左のような鑑定書が所蔵せられている。

 覚
 1.惣仏(そうぶつ) 壱幅 実如上人御裏書御染筆
 1.六字 行御名号 壱幅 蓮如上人御染筆
 1.六字 草御名号 壱幅 実如上人
 右三幅共、今般於集会所、御改め相済、御正筆二相違無之故、御戻シ被成候、為其如此候也
  飛州高山御坊 輪番法泉寺(りんばんほうせんじ) 
  享和三亥年(きょうわさんいどし)(1803)十一月
 濃州郡上郡山田庄
      御直参同行 中