81. 白雲山三十三所観音 (はくうんざんさんじゅうさんじょかんのん)
 剣・大間見(つるぎ・おおまみ)両村の有志が、白雲山古寺跡に堂(どう)を建てたのが天保14年(1843)である。3年後の弘化(こうか)2年、両村内や長滝寺、八幡、上有知(こうづち)(美濃市)、近村等から寄進を請け、石像三十三観音を建てて、観音堂の剣登り口から大間見降り口の古寺参道沿いに配した。
 藩庁(はんちょう)への届けには、今までにあった2、3体の観音を祭るとした。しかし真新しい33体の観音像の配祀(はいし)しているのを藩役人に咎められ、剣・大間見両村の村役人たちが、へんにあいまいな返答書を出したこともあって、藩庁(はんちょう)に罰せられる始末となった。
 仏像の石質、大きさ・作風は同じようで、上有知あたりの同じ職人たちの手になったものであろう。しかし2体だけは小振りで古く、最初藩庁へ届けた観音とみられる。尊体の身長は多く40cm前後で、1番と33番は60〜70cm余りある。一・二を除いて、みな柔和な尊顔で、地元民に厚く信仰されている。