72. 古道陰地出土吊手土器 (ふるみちおんじしゅつどつりてどき)
 昭和40年、栗巣川と古道川の合流点から、古道川を約1qさかのぼった左岸の田の、地表からおよそ70cmの位置で、大形石棒(せきぼう)の破片、大形磨製石斧(ませいせきふ)などと共に出土した。
 丸い窓が3か所あき、口縁部(こうえんぶ)を2条の沈線(ちんせん)と渦でかこんでいる。上部にも小穴があり、すすが付着している。窓は不揃いで、横径がそれぞれ5.5cm、3.3cm、3.2cmである。
 この吊手土器は、長野県で出土しているものに類似しているので、縄文時代文化の伝播(でんぱ)様相をさぐるのに貴重な出土品である。郡上郡出土第1号の吊手土器である。