65. 長徳寺の紺紙金泥十字名号
(ちょうとくじのこんしこんでいじゅうじみょうごう)
 縦90.0cm、横37.5cm。やや淡紺(たんこん)の紺紙に金泥で一気に書き下したすばらしい筆致である。筆者についての記録がないので、断定するわけにはいかないが、口伝(くでん)によると蓮如上人筆(れんにょしょうにんひつ)といわれている。
 この十字名号の帰命の「帰」は外に類例を見ないが、ただ一つ、蓮如9歳の時の書といわれる十字名号も同様である(『蓮如上人展解説』52ページ)ことに注目したい。