63. 恩善寺の絹本着色教如上人寿像
(おんぜんじのけんぽんちゃくしょく きょうにょしょうにんじゅぞう)
 縦98.0cm、横37.5cm。石山合戦(1570〜80)は織田信長に対する本願寺の興亡をかけた激戦であった。恩善寺第13世正玄は、口神路の門徒数人を率いて石山(大坂)に出陣し武功をあげた。その功績により、慶長9年(1604)教如上人(時に47歳)から与えられたものである。面長の顔、数珠(じゅず)を持った手つき、外上りの眉(まゆ)など、教如上人の剛胆な風貌がよく表現されている。
 軸の上方に「弘誓強縁(ぐぜいのごうえん)、多生値(たしょにももうあいがたく)、真実浄信(しんじつのじょうしん)、億劫獲(おっこうにもえがたし)、遇獲行信(たまたまぎょうしんをえば)、遠慶宿縁(とおくしゅくえんをよろこべ)」という『教行信証(きょうぎょうしんしょう)』の総序(そうじょ)の文が墨書されている。 なお、この絵像は寿像といって存命中に描かれた像で、像の右肩に教如と自署してある。