62. 応徳寺の絹本着色蓮如上人絵像
(おうとくじのけんぽんちゃくしょくれんにょしょうにんえぞう)
 縦95.0cm、横39.0cm。裏書によると、この絵像は東本願寺第2世宣如(せんにょ)が応徳寺に下付したもので、寛永16年(1639)に描かれたものである。蓮如上人(1415〜99)は幼時に実母と生別し、苦難の中で勉学に励み、43歳で本願寺第8世の留守職(るすしき)(住職)となった。戦国の世に苦しむ庶民の中へ他力本願によるいのちの救済を説き、本願寺の教線(きょうせん)を拡大し、真宗中興の英主と称せられていることは周知のとおりである。この絵像は温和の中にたくましい風貌(ふうぼう)がよく描かれ、かつ、黒衣(こくえ)に墨袈裟(すみげさ)の姿は上人の質実さをよく表現している。