56. 長徳寺の絹本着色阿弥陀如来立像
(ちょうとくじのけんぽんちゃくしょくあみだにょらいりゅうぞう)
 縦92.0cm、横37.0cm。裏書きは摩滅して判読し難いが、江戸末期の写しによると、長禄(ちょうろく)元年(1457)蓮如上人(れんにょしょうにん)から下付されたものである。
 この年は上人43歳で、本願寺の第8世を継職した年である。像は蓮台(れんだい)の上に、両足を少し間隔をおいて直立し、手は左手を下に垂れ、掌(たなごころ)を表にし、親指と人さし指とを結び、右手は肘(ひじ)を折って上にあげ、掌を前にし、左手の指と同じように結んでいる。これを上品下生印(じょうぼんげしょういん)という。弥陀の印相は、定印(じょういん)(上生印)、説法印(中生印)、来迎印(らいごういん)(下生印)があり、それぞれ指の組み合わせによって、上品・中品・下品の3種があって、これを九品(ぼん)の印相という。この絵像の特色は、蓮台と、2重の頭光(ずこう)の内側の頭光とが、淡い緑青の色彩を施している点で、他に例をみないものである。