46. 牧水神神社のムクロジ (すいじんじんじゃのむくろじ)
 水神神社は嘉吉(かきつ)元年(1441)の大干魃(かんばつ)のとき、妙見宮(みょうけんぐう)神職の娘千代姫が神に祈り、一首の和歌を捧げて、永遠に尽きぬ名泉を授けられ水神を祭った(13.「木戸口清水」参照)。その後、この祭神「象岡女神(みづはめのかみ)」を東家の菩提寺(ぼだいじ)木蛇寺付属の神社として祭ったという。
 水神神社のムクロジは、目通り周囲3.18m、樹高28.0m、樹齢は100〜300年と推定される。もと根元で分枝していたのを、昭和初年にその一方を切ったが、そのためか見付けに空洞ができている。
 ムクロジは暖地性ムクロジ科の落葉高木で、葉は羽状複葉、秋の黄葉は美しい。6月ころ淡緑色五弁の小花を大きな円錐花序(えんすうかじょ)につけ、球状の実を結ぶ。実は堅く、黒い光沢があり、羽子(はね)や数珠(じゅず)に用いる。果皮にはサボニンを含み、石鹸のような泡がでる。