44. 滝日治家のイチイ (たきひおさむけのいちい)
 滝日家のイチイは、家の前庭に植えられており、目通り周囲1.44m、樹高6.1m、枝はり東2.59m、西2.15m、南2.65m、北2.75m、2層仕立ての庭園樹で、推定樹齢450年と伝える雌の古木である。庭園樹として毎年剪定(せんてい)されているため、自然木に比べてはるかに小型であるが、気品ある仕立てがなされている。
 イチイは、イチイ科の常緑高木である。雌雄異株でスダオノキ、アララギ、オンコとも呼び、我が国北部の深山に自生し、幹は直立して約15mに達する。成長が極めておそく、材質緊密、暗紅色で細工物などの材料としてよく使われる。飛騨位山(ひだくらいやま)産のものは笏(しゃく)の材料として有名である。又岐阜県の「県の木」として県民に親しまれている。