42. 円光寺のシダレザクラ (えんこうじのしだれざくら)
 真宗本願寺派高洞山円光寺は、空善坊西澄(くうぜんぼうさいちょう)という人が開祖(かいそ)という。口伝によると、藤代次郎左衛門という人が、天長4年(827)周戸にこの寺を開き、その後、文明5年(1473)3月第11世西恵という人が、蓮如上人(れんにょしょうにん)の弟子となり、改宗して了西(りょうさい)と改めた。了西から第6世教存(きょうぞん)に至り、西本願寺第14世寂如(じゃくにょ)から現在の木仏と、山号、寺号を下付された。ところが慶応3年(1867)5月25日、本尊と過去帳を除き一切を焼失し、明治3年(1870)現在地に移り、再建して今日にいたっている。このシダレザクラは、樹齢310余年、樹高13m余、目通り周囲2.1m、(根元周囲3.0m)、エドヒガン系 の大木で、樹勢は極めて旺盛である。
 花は本堂の前庭を覆い、地上にも届くほど枝垂(しだ)れて、まことに和やかな美観を呈する。