28. カワシンジユガイの生息地 (かわしんじゅがいのせいそくち)
 場皿地内に生息し、生きた化石といわれるカワシンジュガイは、軟体動物斧足綱(なんたいどうぶつふそくこう)カワシンジュガイ科に属している。殻長13.0cm、殻高6.0cm、殻幅4.0cmに達する長楕円形で、やや腹方に曲っていて、殻は厚い。幼貝は黄褐色であるが、成長するに従って黒色となる。内面は青紫色を帯びた真珠光沢が強く、大変美しい貝である。ヨーロッパでは古くは、この貝から真珠を採っていたので、カワシンジュガイの名がある。この貝は成長が遅く、年々数oぐらい大きくなるが、100年から200年ぐらい生き、貝類中最も長命であるといわれている。この貝は、寒冷で水温が低く、きれいな水で比較的流れが早く礫(れき)に多少の砂のまじった川底に生息する。また、貝の幼生(グロキジウム)は、サケ科のマス、イワナ、ヤマメなどのえらやひれに寄生して親貝となるので、こうした条件のそろった場所でないと育たない。
 全国でもこの貝の生息が確認されているのはきわめて少く、広島県、岐阜県その他数県に過ぎない。岐阜県では飛騨(ひだ)地方にかなりたくさん生息していたようであるが、現在では久々野町・清見村などに生息が確認されていて、保護の処置がとられているようである。
 本生息地は、この貝の生息に必要な条件がすべてそろっていたために繁殖(はんしょく)したものと思われる。幅約1mの小川に多く生息している。