27. オオサンショウウオの生息地 (おおさんしょううおのせいそくち)
 オオサンショウウオの生息地として、昭和8年2月国の指定を受けた小間見川(こまみがわ)は、国道156号線剣地内より県道剣大間見白鳥線(広域農道)を北東へ約2kmの地点において大間見川へ流入する支流で、約5kmの谷川である。
 オオサンショウウオは、河川に生息する両棲類(りょうせいるい)で、魚ではない。形は「イモリ」に似ているが、体長は1mを超えるものもある。頭部はへん平で、眼は極めて小さく、口はすこぶる大きく、歯は一枚歯である。四 肢は短く、胴を引きずるようにして歩き、背の色は黒褐色の保護色を呈し、体の両側にひだがある。皮膚から粘液を出して異臭を発する。夜行性動物で、水中だけでなく陸行(りくこう)することもある。餌は魚類・カニ・カエル等極めて雑食性である。8月ころ水中の深い洞穴で太い紐状(ひもじょう)の産卵をし、雄がこれを保護するという。当地では通称「ハザコ」と称しているが、その体を半分に裂いてなお死なないというほど強い生命力から名づけられた「ハンザキ」のなまりであるという。
 オオサンショウウオは現在生息する両棲類中最大のものであり、その生息地もまれで、世界においても日本と中国の一部と北アメリカにのみ生息するという。
 オオサンショウウオは国の天然記念物として、地域に関係なく保護されており、勝手に捕獲したり飼育することは許されない。
 ちなみに大和町地内には、中型の「カスミサンショウウオ」(ヤマヒコベ)・小型の「ハコネサンショウウオ」(タニヒコベ)が生息している。