26. 白雲山出土四耳壷 (はくうんざんしゅつどしじこ)
 昭和53年9月、白雲山にある古墓群(こぼぐん)の盛(も)り土の崩れから、納骨されたまま発見された。この盛り土付近からは、昭和47年平安期の須恵器(すえき)碗の底部、古瀬戸壷(つぼ)破片、常滑(とこなめ)かめ破片などが出土している
 全高28.0cm、口径12.5cm、底径11.0cmで、口縁部はひねり返しで波を打っている。口造りの折返しに1本、肩に3本、胴中央部に2本沈線(ちんせん)があり、底部には小穴が開けてある。枯葉色の灰釉(かいゆう)がかかり、細かい貫入(かんにゅう)が入っている。鎌倉後期のものと思われる。
 白雲山は観音堂と呼ばれており、堂宇(どうう)の古い礎石も残っている。加えて懸仏(かけぼとけ)の仏体、平安後期の陶片、さらに平成5年、6年の発掘により納骨された四耳壷・瓶子(へいし)・三耳壷(さんじこ)、土びんが出土し、この地点が長い間信仰の場であると共に、古代から中世にかけ、当地域にとって重要な地点であったことを物語っている。