21. 尊星王院跡出土四耳壷 (そんせいおういんあとしゅつどしじこ)
 牧字宮の上(明建神社の東に隣接)の妙見宮の別当寺(べっとうじ)と伝えられる尊星王院跡から、昭和41年春出土した。水路工事中、地下約60cmの位置から発見された。
 胎土は細かく灰白色で、焼成がやや不良の四耳壷である。ロクロ仕上げで3段接(は)ぎになっており、口は折返し造りである。肩と胴の継ぎ目には2本の沈線(ちんせん)が刻まれている。また耳には4〜5本の沈線が刻まれている。
 口径12.2cm、頸部の長さ4.1cm、胴部最大幅22.9cm、器高は29.5cmであるが、上釉(うわぐすり)はほとんどはげ落ちている。この四耳壷は鎌倉時代のもので、内部には人骨が納められていたので、別当寺尊星王院、妙見宮、東氏に関連をもつ人のものと考えられる。中世の当地の歴史解明に重要な出土品である。