5. 常縁集 (つねよりしゅう)
 本書は、郡上八幡第6代城主遠藤常友のねがいにより、その師烏丸資慶(からすまるすけよし)が東常縁の和歌を編集したものである。縦21,4cm、横15.0cmの半紙本1 冊であり、二重箱入りにしてある。なお、別に後水尾上皇宸筆(おみずのおじょうこうしんぴつ)の外題(げだい)「常緑集」(縦11.2cm、横15.0cmの和紙に草書で書く)が添えてある。
 本書の内容は、春・夏・秋・冬・恋・雑の6部に分類された400首の短歌と連歌2首からなり、巻末に「寛文拾壱年(1671)初秋、左大弁烏丸光雄(さだいべんからすまるみつお)」の奥書がある。光雄は資慶の子で、寛文9年父の死後本書の編集を継続して完成させたのである。
 和歌は、常縁以外の詠草(えいそう)が3首あるので、常縁の歌は397首である。連歌2首は、常縁と宗祇(そうぎ)の唱和で、妙見神社と那比新宮(なびしんぐう)の社頭での吟(ぎん)である。